意外に多い?エアコンに直接起因しないエアコン事故

暑さが年々厳しくなるなか、熱中症対策として欠かせない存在となったエアコン。しかし、毎年報告されるエアコン事故の中には、実は製品そのものが原因ではないケースが少なくありません。

NITE(製品評価技術基盤機構)の発表によると、2021年度から2025年度までの5年間に報告されたエアコン事故345件のうち、152件は「製品に起因しない事故」だったといいます。つまり、事故の約4割は使い方や設置環境、施工上の問題などが原因だったのです。

中でも注目すべきは、室外機周辺の環境が原因となる事故。

例えば、使っていない室外機にビニールシートをかけ、その上に重し代わりのペットボトルを置いていたケース。快晴の日にペットボトルがレンズのような働きをして太陽光を一点に集め、ビニールシートが発火したと考えられています。いわゆる「収れん火災」です。エアコンは運転しておらず、故障もしていなかったそうです。

また、室外機の周囲に段ボールや新聞紙、ごみなどを置いている家庭も少なくありません。しかし、こうした可燃物は火災の原因になるだけでなく、小動物や虫のすみかになることもあります。内部に侵入した小動物が配線をかじったり基板に接触したりすると、ショートによる発火につながるおそれがあるそうです。

さらに注意したいのが、DIYによる工事や修理です。

NITEには、エアコンの電源コードを途中で切断し、別のケーブルをねじって接続していたため、接触不良による異常発熱で火災が発生した事例も報告されています。コンセントの位置が遠い、コードが短いといった理由で安易な加工を行うのは危険です。

近年は引っ越しやリフォームに伴うエアコン移設も増えていますが、取り外し作業中に室外機が破裂する事故も発生しています。冷媒回収作業(ポンプダウン)を誤ると、コンプレッサー内部が異常な高温・高圧状態になり、爆発や火災につながるおそれがあります。こうした作業は必ず専門業者に依頼したいところです。

エアコン事故というと製品の経年劣化や故障に目が向きがちですが、実際には「室外機の周りに物を置かない」「コードを自己流で加工しない」「工事は専門業者に任せる」といった基本的な対策で防げるケースも少なくありません。

本格的な暑さを迎える前に試運転を行うとともに、室外機の周囲を一度見回してみてはいかがでしょうか。思わぬ事故の芽を摘むことにつながるかもしれません。

参考動画(製品評価技術基盤機構)
エアコン「10.エアコンのNG3選」